第二章~英雄の資格~

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ファウストはドラグニールとの戦いに研ぎ澄まされていく感覚とは裏腹に擦り減って行く体力を感じていた。 気を抜けばその鋭利な爪で切り裂かれる。 死がよぎる。 敵はドラグニールだけでは無い。 上空の飛竜隊からの火球砲撃も苛烈を極めた。 エーテリオンでの身体能力を上げていなければかわす事もままならない。 逃れた先には爪竜隊の攻撃が待ち受けている。 無限地獄による消耗戦はファウストの精神力も削っていた。 ふと集中力が途切れた。 一瞬の出来事だった。 ドラグニールの放った雷撃をもろに受けてしまった。 そこへ叩き込むように火球が降り注ぐ。 なんとか立ち上がるが、眼前には岩の塊のようにそびえ立つドラグニール。 「・・・眠れ。」 重々しい声が響く。 もはや槍を構える力も無い。 ここまでよくやった。 ここで散った仲間に今からそちらに行くと告げ目を閉じた。 「・・・。」
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