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「あ、レン君。調子はどう?風邪を引いたって聞いたけど」
リンは自分と年が同じくらいの少年に話しかけました。その少年は、隣に住んでいることこともあって、仲が良いです。
「うん。もう、大丈夫だよ。それよりさ、聞いて欲しいことがあるんだ!」
「何?」
「明日の祭りでさ、プログラムには書いてないけど、出し物に道化師が来るらしいんだ。何か、怪しい服を着た二人組が話しててさ。」
「道化師?」
リンは首を傾げました。
「うん、きっと手品をやったり、サーカスを呼んだり、いろいろ面白いことをするんだろうな」
「サーカス……!」
リンは、思いはせるように双眼を光らせました。
「リン見たい!ねぇ、一緒に行こう?」
「え、僕と?でも……僕とじゃ……」
「何よ!誘ったのはレンでしょ?この意気地なし!」「ええっ?意気地なしって……。でもボクと一緒じゃ釣り合わないんじゃ…」
「何言ってんの。私はレンだから一緒に行こうって思ったのよ。それに、ほら!この金色の髪に青色の目。他の人達にはないけど、私達にはあるのよ。ああ、きっと私達は運命に導かれてこの場にいるのよね……」
リンは陶酔したような目で遠くを見ているようですが、そこには薄暗くなった森しかありません。
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