千本桜

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公園についたけどまだ桜花はいない。時間をみたら10分前だ。 公園の中にはガラの悪い奴らがいた。 その中の一人が鈴に声をかけてきた。 「おう、嬢ちゃん。俺らと一緒に遊ぼうぜ。」 はじめは丁寧に断り続けたが、あまりにもしつこいので、ついに怒鳴ってしまった。 「遊ばないって言ってるじゃないですか!いい加減にしてください。」 すると奴らの空気が一変する。ニヤニヤしてる奴もいる。 「嫌なら仕方ない。無理やり連れていくぞ。」 奴らが実力行使に移ろうとした時、目の前の奴らが殴り飛ばされた。 桜花だ。桜花が助けてくれた。 内心すごいホッとした。 でも相手は複数。桜花一人でどうにかなる敵ではない。 「鈴、逃げるぞ!」 二人が逃げようとする。―――が、ヤンキーが行く手をはばむ。 「くそっ!!囲まれた。 鈴、道場から木刀を二本持ってきてくれ。」 この場を一人にして大丈夫なはずがない。 「たのむ!!」 そう言うやいなや、桜花は入口のヤンキーに体当たりした。 鈴は桜花の期待を背に、生じた隙を駆け抜けて行く。 道場に向かって走る。走る。ひたすら走る。 ―無事でいてね― そう祈りながら。
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