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「なんだもうそんな時間か?なんなら送ってやろうか?」
「別にいいよ。走ったって15分くらいしか掛かんないし。それに、叔父さんの仕事邪魔しちゃ悪いしね」
「別に俺の仕事はどうにでもなるからいいんだょ。まぁ、そんな言うなら俺はどっちでも構わないけど」
“大丈夫だから”と再度顕太郎に告げ、足早に顕太郎の家を後にした。
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「はぁ~ッッ。何とか間に合った……」
顕太郎の家から全力で走り、ギリギリ集合時間に間に合った。
後2、3分遅れていたら、間違いなくアウトだっただろう。
校舎に着くと、生徒用昇降口前の掲示板に新入生のクラス編成が張り出されていた。
桃子が着いたのが集合時間ギリギリだった為か、既に昇降口には生徒の姿は無く生徒はクラスへ移動した後の様だった。
「あぁーーー桃子!!」
後方から昇降口全体に響き渡るほどの大きな声で名前を呼ばれ、びくりと身体が跳ね上がった。
振り返って見てみると、そこには桃子がよく見知った女の子が立っていた。
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