chapter1【春ノ訪レ】

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順調に進み、入学式も終わりに近づく。 アナウンスで式の終了が告げられる。   『新入生退場、新入生起立!』   声に合わせA組から順に、保護者席と在校生席の間を通って体育館を後にする。全部で5クラス。 退場する間、贈られる拍手がなんとなくこそばゆい。   自分の退場する番を待っている時、ふと出口の方を見てみると、お世話係の生徒が数人立って新入生に拍手を贈っていた。   その中でカメラ片手に手を振る1人の男性…大樹だった。   桃子は、それを見つけると、何とも言えない恥ずかしさで床に目線を落とた。 ―――大樹の馬鹿!恥ずかしすぎる!!   桃子達のクラスの番になると、桃子は自然と早足になり、急いで体育館を後にした。 気付くと体育館の拍手が遠くに聞こえ、それを見ていた智恵は手を口に当てクスクスっと声を押し殺して笑っていた。
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