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「ちょっと、話が変な方向にいってるって!そもそも大樹は私のモノとかじゃないし。世間一般から見て単なる兄と妹!」
「でも、血は繋がってない!」
智恵は、桃子の言葉に付け加えるように、即座に言葉を返す。
「もぉ~!智恵は何がしたいのさぁ」
智恵の顔を見ると明らかに何かを企んだ様な笑顔でニヤリと唇の端をつりあげていた。
「なんかその顔…怖っ」
「そんな事ないって。で、実際の所どうなの?白石先輩と毎日一緒に寝食ともにしてて何も思わないの?」
「寝食ともにって…なんか言い方が…
第一、家族なんだから一緒にご飯食べたりするのは普通でしょ。てか部屋別々だし!!」
「いやいやそういう問題でなく。ん~…なら質問を変えよう!桃子は一、個人として白石 大樹(シライシ ダイキ)という男性をどう思いますか?」
妙にウキウキしながら、智恵は右手をマイクに見立て桃子の前に突き出してみせる。
「ふぇ?」
気の抜けた様な返事に智恵の肩がガクッと落ちる。
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