-兄ト妹-

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―――あちゃー。また、やっちゃったかなぁ… 長時間の立ち読みで、店員さんに目をつけられ注意される事がよくある。 恐る恐る振り向く桃子だったが、視線はすぐ顔に行き当たらず胸の辺りにぶつかった。   桃子は、俯き加減の顔を、そーっと上げると、そこには久ぶりに会う大樹の姿があった。 「だ…大樹?」 「やっぱり桃子だ。後ろ姿がそうじゃないかなと思ったんだ」   「こんなとこで…偶然だね」   突然現れた大樹の姿に一瞬、どきりとしたのだが、桃子は平然を装い話し続けた。    「本当、偶然だな。しっかし、何回も呼んだのに、全く気付かなかったのか?」 大樹の視線が桃子の持っていた本に目を落とす。
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