-兄ト妹-

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「ところで、桃子。 こんな所で何してるんだ?」  「んー、ちょっと本を買いに」   「1人でか?」   「1人じゃないけど…」   その時なぜ“叔父さんと一緒に”とハッキリ言わなかったか判らない。 桃子は反射的に言葉を濁してしまった。 「大樹君?」   大樹の背後からひょこっと顔を出す桃子の知らない女性。 「あっ宮部!やべっ、忘れてた。探したろ?」   「あはっ、そんな慌てなくても別に大丈夫だよ。 でも、忘れてたの? 泣いちゃうぞ!!」 「宮部、ごめんな。」 「冗談だよ。気にしないで。 欲しい本も見つかったし……えっと…」      女性は大きな瞳を瞬かせ、大樹から桃子へと視線を移す。
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