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家族4人で暮らし始めて、早4ヶ月が経とうとしていた。
父は相変わらず仕事が忙しようだったが、時間を見つけては、仕事を早めに切り上げ帰宅する事もあった。
何はともあれ毎日平穏。
家族円満にやっている。
* * * * * * * * * *
「大樹~!」
桜舞う春の日。
春の穏やかな日差しと心地よい風が窓からそよぎこむ昼下がり。
春日桃子がノックもせず、兄である白石大樹の部屋の戸を開いた。
「こらっ桃子!お兄ちゃんと呼べっていつも言ってるだろ。」
机に向かっていた大樹は、半ば呆れた様子でそう告げながら振り返った。
「別にいいじゃん、お兄ちゃんったって、3ヶ月しか誕生日変わらないんだし」
頬をぷぅ~っと膨らまし唇を尖らせて見せる桃子に、呆れ半分といった様子で話しかける大樹が、そんな桃子の表情を見てクスッっと微笑む。
「……で、何?何か用だったんだろ?」
「あっ、そうだった。あのね制服着てみたんだけどどうかな?似合う?」
真新しい制服を着た桃子が、その場で回ってポージングしてみせた。
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