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同期の、手塚 藤子から借りた本だ。
少女が困難を乗り越え成長しながらも、恋を実らせていく恋愛ストーリーで糖度が高め。
強い勧めもあり借りたが、自分の甘えたがる欠点を増長させそうで怖い。
が、興味はなくもない。
借りた手前、感想を言わなければならない、と、うそぶいて、微笑みながらいそいそと本をめくるのだった。
本の中の二人は、お互い意識しながらも、なかなかじれったいほど、くっつかない。
やきもきしながらページをめくる。
一回くっついたら、こちらが恥ずかしいほど、甘かった。
自分が女だからか、主人公の男側の、強引で優しくて不器用で、誰よりも自分を愛してくれる、実はヤキモチ焼きのちょっと可愛い姿は好感を持てた。
というより、羨ましい。
こんなに愛されたら幸せだろうな。
いいな。
ついつい、気に入った場面を読み返してしまう。
恋愛から一歩引いてから、二年はなる。
激甘小説が羨ましいなんて、自分はそんなに愛情に飢えていたのかと思うと笑いが出る。
しかし、なぜだかページをめくる手が止まらない。
どんどん急かされるようにめくっていき、主人公二人がキスから初体験から結婚まできた時には、最後のページだった。
結局、しっかり読み切ってしまった。
空を見上げると、もう暗かった。
ちょっと長居しすぎたな。
捻った足をかばいながら、出口までを歩く。
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