~2(奨矢)~

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少ししても拳が俺にこない おかしい… そんなこと思っていると 「おい」っと上から低い声が聞こえた、ビクゥっとしてからそっと目をあけると 「大丈夫かよ」黒神は俺に手を差し伸べていた 「へ?」俺は腰を抜かして座り込んだ 「おっと、お前大丈夫かよっ!!」倒れこむ俺を抱えた なんだ、コイツそこまで悪い奴じゃないじゃんか… 「フッ…何泣いてんたよ、男のくせに」フッと俺に向けて笑った、予想外な反応を見せる黒神に安心した俺は一粒涙をこぼした 「う、うるせぇ」俺までつられてフッと笑いながら言った。 暖かい何かが俺を安心させた 黒神は俺を背負ってすぐ近くの体育館へ連れていった、ここは人通りも少ないため誰もいない 体育館は黒神の縄張りだから近づくなと言われている、めったに集会なんてない、始業式、終業式、入学式、卒業式にしか使わない 「なんでここに?」俺はぐったりしながら黒神に体を預ける 「こんなとこ、周りに見られたくないだろうしな、ここなら誰も近寄らねぇから」そういって俺をステージに降ろした
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