嵌まる彼女

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少し赤くなりながら、作業を再開する彼女。 豚肉を炒めているらしく、香ばしい香りがした。 鈍臭そうに見えて、手際がいい。 奥さんには向いているタイプだな。 そして、しばらくしてテーブルに並べられた、真っ赤な色の異様なラーメン。 スープが赤いから、野菜の緑が引き立つ。 女と、こんなの食べるのは初めてで……。 てか、今日は初めてが多いな。 「はい!召し上がれ!」 そんな風に言われたのも初めてだよ。 やっぱり、面白い。 この女。 この女を……どうやって罠に嵌めようかと、そればかりを考えてしまう。 意外に、快楽に溺れやすい身体だから初めはそれでいいかと思う。 真剣に考えながら、ラーメンを口にしたら、油断していたのか、あまりの辛さに噎せそうになった。
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