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だからこそ今夜は、何がなんでも上手く持っていきたい。
そう思い、ここまできたのだが……。
やはり、彼女は一筋縄ではいかない。
普通なら、もう観念して受け入れてくれそうなもんだが。
「いーやー離して、降ろしてください!」
手足をばたつかせ、ただ必死に抵抗をする彼女。
こうなれば、卑怯だとわかっていても大人しくさせたくなる。
「……」
「ちょ、どこ行く……っつ?!」
とたんに大人しくなる彼女。
それどころか、必死にしがみついてくる。
「暴れると……落ちるよ?」
ガラっと音をたてて開く窓。
会社ほどではないけど、ほどほどに高いマンション。
入るだけでも30分はごねた彼女。
ベランダなんかに出たら、さぞかし――……
「あぁあぁああぁっ!やだぁぁああっ!怖い高い怖い高い怖い高い怖い高いぃぃーーっ!」
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