嵌まる彼女

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「ひ、酷い!!ほんとですか!部長!」 「昔の話だ!今、その話は関係ないだろ!」 「だったら、俺の話も……」 「お前はあるだろ!俺の部下が誑かされそうになってるんだからな!」 誑かすって……。 お互い無駄に過去を知っている分、誤魔化しも小細工も効かない。 だからと言って、やっとここまできたんだ。 みすみす西島君を逃がすつもりもない! 「だいたい、西島。こいつに流されてるんじゃないのか?」 「え……あ、その。最初というか、さっきまではそうだったんですけど……」 シドロモドロになりながらも、西島君は一生懸命話し出した。 「なんていうか、強引だし媚薬飲まされたり……」 「媚薬?」 媚薬という言葉に上条がハッとした顔をする。 そしてまたまた物凄い形相でこっちを、睨んできた。 「いろいろ、セクハラパワハラ紛いなことをされたんですが……さっき、された告白は……その、嫌いじゃなかったので……」 真っ赤な顔をした、西島君が上条の顔をおずおずとしながら見上げる。 すると、上条は「はぁ……」と一つ大きな溜め息を吐きながら、俺を見た。
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