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「……笑うなよ。」
「だって。なんか子供っぽいなって思って。そんな昂くんあんまり見たことないから。」
なんだそれ、と口をへの字に曲げて私の手を離したその勢いで後ろのベッドにもたれかかる。
「あー、かっこわる。だからしたくなかったんだよ、こんな話。」
「どこがカッコ悪いの? あんな美人に想われて、みんなに羨ましがられて。完全に昂くんの一人勝ちじゃない。」
「……なんかさっきから、言葉の端々にトゲを感じるけど、気のせい?」
「……どうでしょう。」
買ってきたペットボトルのフタを開けて、口をつける。
気のせいなんかじゃない。
さっきから、私の口からかわいくない言葉がポンポン飛び出しているのは自分でも分かってる。
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