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昂くんの最後の問いかけに、私はゆっくりと頷く。
もう、逃げない。
しっとりと唇を吸うような口づけが、段々深いものに変わっていく。
夢中で応えているうちに、セーターの裾から昂くんの手が滑り込み、また心臓が跳ねた。
静まってよ、心臓……!!
って叫びだしたくなるほど身体に力が入ってしまう。
そんな私の状況を理解しているのか、昂くんの動きはゆっくりで
服と共に私の心も一枚一枚、優しく剥がしていくようだった。
ひとつずつ、ブラウスのボタンが外されていき、下着だけの姿になると
昂くんもバサっとシャツを脱ぎ、上半身が露わになる。
その引き締まった上腕筋に目を奪われていたら、
「何? 」
と、クスッと困ったように笑いながら私の耳を甘噛みした。
背中がゾクッと粟立つような感覚を覚えて身をよじる私を逃すまいとするように
また、熱い舌が私の唇を捕らえる。
私も昂くんに触れたくなって、その腕に私の手をそっと這わせた。
ーーーー弓道で鍛えられた腕だ。私の大好きな。
私が一目惚れした瞬間が、ふっと脳裏に浮かぶ。
ベッドの中で見るとこんなふうに、妙にセクシーに見えるなんて。
もう、私の鼓動の高鳴りは止みそうにない。
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