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「…………大丈夫? 涙出てる」
果てた後、ゴロンと私の隣に横になって腕枕をしてくれていた昂くんが
私の目尻に溜まった涙に気付いてそっと指で拭ってくれる。
「大丈夫。……嬉し涙だから」
下腹部に鈍痛も感じるけれど、なんだかすごく幸せな痛みで。
大人になったような気持ちと、相反した気恥ずかしさと、嬉しさで、私の胸はいっぱいだった。
「あ~、やっばい」
ボソッと呟き、空いてる方の腕を顔の上に乗せて呻く昂くん。
「離したくない」
そう言って、私の身体をギュッと抱き寄せた。
先ほどまで繋がっていた身体がまた密着して、この甘い体温に眩暈がしそうだ。
「私も離れたくないよ」
ずっとずっと。
この幸せな時間を共有していたい。
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