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帰路の途中、私達は2人乗りしていた自転車から降りて、うちの近くの公園に立ち寄った。
2人で流星群を見た場所。
あの頃より寒さが肌に染みる。
それでも、なんとなくお互い離れがたくて
ちょっとだけ歩こうかって昂くんから誘ってくれた。
自転車に乗ってる時から、片方ずつ耳に付けていたイヤホン。
そこから流れてくるのは、さっきまで昂くんの部屋でも聴いていたキャラシュガの歌。
……といっても、さすがに殆ど耳に入らなかったんだけど。
ちょうど彼らのクリスマスソングが流れてきて、私と昂くんは、それにしばらく聴き入った。
するとふいに、昂くんが呟く。
「……来年も一緒に過ごそうな」
私にくれた、未来の約束。
「……うん!」
当たり前のように、それを言ってくれることが嬉しくて
私は昂くんの肩にそっと寄りかかった。
外の空気は寒いはずなのに、私達のところだけ温かい気がして
それが私の胸をホッとさせた。
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