9.初めての温もり

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帰路の途中、私達は2人乗りしていた自転車から降りて、うちの近くの公園に立ち寄った。 2人で流星群を見た場所。 あの頃より寒さが肌に染みる。 それでも、なんとなくお互い離れがたくて ちょっとだけ歩こうかって昂くんから誘ってくれた。 自転車に乗ってる時から、片方ずつ耳に付けていたイヤホン。 そこから流れてくるのは、さっきまで昂くんの部屋でも聴いていたキャラシュガの歌。 ……といっても、さすがに殆ど耳に入らなかったんだけど。 ちょうど彼らのクリスマスソングが流れてきて、私と昂くんは、それにしばらく聴き入った。 するとふいに、昂くんが呟く。 「……来年も一緒に過ごそうな」 私にくれた、未来の約束。 「……うん!」 当たり前のように、それを言ってくれることが嬉しくて 私は昂くんの肩にそっと寄りかかった。 外の空気は寒いはずなのに、私達のところだけ温かい気がして それが私の胸をホッとさせた。
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