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ついさっきまで、昂くんの腕に抱かれていたことを思い出して、顔の火照りが消えない。
これまでの自分と何も変わらないのに、少しだけ大人になったような。
嬉しくて、気恥ずかしくもある。
……不思議だ。
緊張でガッチガチだったけど、すごく満たされた気持ちになった。
昂くんが、私を大事に扱ってくれてるのがよく伝わってきたせいもあるんだろう。
朝美の気持ちが今ならよくわかる。
誇らしくて、幸せ。
昂くんの残したこの痕も、くすぐったいけど本当はすごく嬉しい。
今も耳の奥に残る「好きだ」って言葉や
熱っぽく揺れる瞳も
私しか知らない昂くんの姿だと思うと、ニヤニヤが止まらない。
…………やばい、変態みたい。
昂くんの艶っぽい上半身を思い出してしまい、ますますのぼせそうになったのを自覚した私は、お風呂から出た。
家族と顔を合わせるのも何となく気まずいし、私はさっさと自分の部屋へ行き、ベッドに入ることにしたのだった。
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