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「ありがと」
お礼を言って、2人で朝美達のところへ戻ると何やら言い争いが始まっていた。
「どうしたの?」
「あっ、聞いてよひかり! 今マサくんがね、そこを通った振袖の女の子のこと鼻の下伸ばして見ててね!」
「鼻の下なんか伸ばしてねぇよ! 着物ってそそられるよなって言っただけだろ!」
ギャーギャー騒いでるけど、この2人はこの状態が普通だし、実は楽しんでるのも分かっている。
あー、はいはい、と聞き流しながら昂くんを見ると
やはり溜息交じりに2人を眺めていた。
「ひかり」
「ん?」
「こいつら放っといて、行こう」
ニッと口元に笑みを浮かべて、私に手を差し伸べてくれる。
私はそれをギュっと握って「うん!」と返事をした。
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