10. 輝く時の中で

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季節は刻々と移ろい、昂くんは無事受験が終わって 卒業真近な頃、第1希望の大学の合格通知が来た。 私は本人以上に喜んで、 2人でお祝いをした。 これまで我慢してきた分、私達は昂くんの卒業までの間、たくさん会って、遊んで、触れ合った。 卒業が近づくにつれ、どうして同い年に生まれなかったんだろうって本気で思った。 昂くんが一歩先に行ってしまうことが どうしようもなく寂しくて。 でも、それは昂くんには言わなかった。 きっと「バカだな」と言われるのが分かっていたから。 そのセリフには愛情が込められているだろうことも。 寂しいのは私だけじゃないんだってことも。 そんな私の気持ちを察したのか、ある日の学校からの帰り道に、うちの近くの公園に立ち寄ったことがあった。
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