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春めいてきたその日は、見てると少し切なくなるくらいオレンジ色が輝く、夕焼けのとても綺麗な日だった。
「大学行ったら、サークルとか入るの?」
「んー、そうだな。何もしないのもつまんなそうだし。弓道のサークルなんてあったらいいけど」
「野球は?」
「大学で野球やってる奴らなんて野球バカばっかりだろ。無理無理!
でも、たまにはやりたいな、真司たちとでも」
笑って言う昂くん。
私も野球をやる昂くんを見てみたい。
「俺はようやく終わったけど、ひかりはこれからだもんな、受験」
「う…… それは言わないでよぉ」
これから始まる地獄を想像すると気が滅入る。
しかも傍に昂くんはいないなんて。やっていけるのか、私。
「ははっ、ごめんごめん。大丈夫だよ、ひかりなら。頑張り屋だろ」
「そうかなぁ……」
急に不安になってきて、俯く。
沈黙が流れたかと思うと、ふいに昂くんが私をそっと抱き寄せて唇を重ねてくれた。
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