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まさか皆既に…
「そんな……嘘…嘘だ…」
必死に悪い考えを振り払おうとするが
一度浮かんだソレは中々離れてくれない。
私が直ぐに帰っていれば間に合ったかもしれないのに
私の所為だ…この里を守らなきゃいけないのに…
私の力が足りなかったから…
後悔と共にある種の感情がわき上がってくる。
憎い…
里を襲ったあの化け物が憎い
憎い…
憎い…憎い…
ならばどうする?
問いかけなくてもわかる
アレを全滅させれば良いだけだ
「…っぁああああ!!!!!」
よくわからない叫び声を上げながら急降下、目に入ったその化け物をーー
斬
霊力を込めた真空刃で斬り伏せる。
頭に血が上った私は、霊札を使用しない風の霊術、風切りの刃と呼ばれるモノを使っていた。
威力が高い分霊力消費も激しいがそんなの関係ない、全て私が倒してやる……!
そのまま跳躍して次のターゲットに移る。
斬
斬斬斬斬斬……!
斬られた化け物共はそのまま粒子となって消え去るが、まだ足りない
私の怒りはまだ収まらない
まだだ…まだ残っている…!
「まだ…っ!」
再び跳躍しようと霊術を使用しようとしたとたん、急に目眩が襲いかかり崩れ落ちる。
急激な霊力の大幅消費に伴う反動が来たようだ。霊力消費が大きい霊術を使いすぎたツケがまわってきたようだ…
つまるところMP切れ、もう何もできないだろう…。
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