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TAKE1
窓から見下ろす城下町。
日は沈みかけてるのに賑わいの引かない商店街を遠めに見ながら私は短いため息をついた。
王国祭が近いせいか、いつもより活気に満ちているような気がした。
「お嬢様。こんな所にいらっしゃいましたか。そろそろ夕食の準備が整いますの
で食卓まで下りてきてくださいませ」
「ええ・・・すぐに行くわ」
メイドに声を掛けられ、食卓へ向かう事にする。
振り向き、もう一度だけ窓の外の世界に目を向ける。相変わらず商店街は賑やか・・・そうじゃない?アレ?電気消えてる!?
はい、カットー!
『おーい!商店街の照明消えてるぞ~!』
木霊するスタッフの声。
『掃除のおばちゃんがコードに足でも引っ掛けたかー?』
別の意味で溜め息が出そう・・・。
TAKE2
「お嬢様。こんな所にいらっしゃいましたか。そろそろ夕食の準備が整いますの
で食卓まで下りてきてくださいませ」
「ええ・・・すぐに行くわ」
メイドに声を掛けられ、食卓へ向かう事にする。
振り向き、もう一度だけ窓の外の世界に目を向けると・・・窓の外を何かが落下していくのを目が捉えた。
「ひっ!」
思わず悲鳴にも似た声を上げてしまう。
はい、カット!
『すいませーん。道具が屋上から落ちちゃってー!』
『何やってんだよ!あぶねーだろ!』
城下からスタッフの怒号が飛ぶ。
『サ~セ~ン』
こんな調子で大丈夫だろうか・・・?
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