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TAKE1
馬から振り落とされ地面に背中を打った。一瞬息が詰まり呼吸が苦しくなる。
馬は積荷を載せたままどこかへと走り去っていってしまった。
闇が支配する森の中に一人きり。低い唸り声は先ほどより近づいて来ている。
「く・・・!」
腰に携えた短剣を引き抜き腰を低く落とし体勢を整える。
月明かりが森の闇に潜んでいる者の目の色を反射させる。
狼だ。
「街の近くに狼なんて・・・もうちょっとなのに・・っ」
じりじりと私の周囲を距離を詰めるように周りながらこちらの様子を伺っている。
と、勢いよく駆け寄ってくる狼・・・のように見えるハスキー犬。
「わふ!わふ!!」
「ちょ、な、なに!?」
ふさふさとした毛並みのハスキー犬が擦り寄ってくる。
『あー。懐かれちゃいましたねー』
「か、可愛い・・・」
和むようにふさふさした毛並みのハスキー犬をなでなで。
気持ちよかった!
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