第1章

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「まつげ長いよね」 志をじーっと眺めてみる。 美しいというより人形のような愛らしさがある。 「てめー、さっさと龍壱探しにいけよ」 背後から尋常ではない威圧感が廉太郎に襲いかかる。 「あ、いたんだー」 「悪いかよ」 「別にぃ。てか、ユキちゃん見てるの俺の勝手じゃん」 「志は俺のもんだ」 不機嫌そうに本多慎(ホンダ マコト)は睨む。 「もー、そんな顔しなくても退散しますよ」 廉太郎は何事もなかったかのように(なにもなかったのだか)教室をでていった。 「志……」 慎は志の頭を撫でる。 志の髪が風に揺れる。 ただそれだけなのに、ドクン、と心臓が跳ねた。 もう少し、いや、ずっとこのまま見ていたかった。 廉太郎がいなくなって空いた席に慎は腰を下ろす。 .
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