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結局、ほとんど眠ることができなくても朝はやってくる。
重たい肩と頭をなんとか支え、頭が冴えたらと軽くシャワーへと向かった。
洗面台の前で自分と目が合い、あまりにひどい顔に笑いもおきない。
それでも時計のカウントは待ってくれず、外へ出れば嫌でも今日も一日が始まる。
「有休残ってるし、休もかな」
やる気が全く起きないため、ここは思いきって休むことも頭に浮かんだが、やらなきゃいけない急ぎの仕事を思い出し仕方なく着替えることにした。
少しでも張り合いがつけばと、掛けてあるスーツも好きなものを選んでみることに。
いつものように身形はととのえるが、どこか不自然さが溢れている。
「裕太郎くん……」
会えないかもと思ったら、よけいに会いたい。
陽向くんや天道を使う“手段”は選べないこともないが、躊躇っている俺がいる。
大人って、厄介だよな。
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