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理由もわからない天道は、『はあ!?』っと眉を歪めていたが、立ち止まっていても仕方ないと思ったのか、俺の腕を引っ張り、引きずるように会社へと連れて行った。
重い腰を下ろし席についても、頭の中は不安だらけ。
「お昼に聞いてあげますから、仕事してくださいよ」
呆れた顔で俺を見てそう言うと、天道はチラチラ俺を見ながら仕事を続けた。
そんな俺達を見てたら、誰だって目にはいるもんだ。
「太中ぁ~!目が覚めないなら水でもかけてやろうか?」
俺を見下ろすように部長が後ろに立っていた。
「……かけてくれますか?」
俺の口から出たのは本音だ。
「……………おい、天道」
少しの間をおき、部長は何かを感づいたのか天道を呼んだ。
「はい。バケツでいいですか?」
さらりとした言葉に周囲がざわつく。
「おま…コイツに本当にかける気か?」
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