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中に入ってもぼんやりしている俺を、天道も『どうしたものか』と悩んでいるようだ。
「ご注文は…」
店員さんが来てくれたが、俺は特に欲しいものなんてないから無言で座っている。
諦めたように天道が何かをお願いしておるようだ。
オーダーをとってくれた店員さんが向こうへ行くと、身を乗り出し天道が訊ねてきた。
「体の具合が良くないんですか?」
「いや…」
「気分がよくないとか?」
「そんなことは…」
いつものようにガンガン話していきたい気分でもないから、我ながらあっさりした返答しかできていない。
「言いたくないならいいですけど、とりあえず今日は仕事を手伝ってもらいますから」
「へっ?いや、俺にも仕事が…」
驚く俺に天道は笑顔を向ける。
「部長が言ったんですよ。お願いしますね」
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