◯今日から miracolo!?◯

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「まさかこんな年下の、しかも高校生で男にそんな感情がわくなんて思わなかった」 一瞬の沈黙の後、俺は本音が口からすんなりと洩れた。 「俺も想定外でした…」 天道とすれば、複雑な心境から生まれた本当の一言だろう。 職場の先輩が、まさか弟のような少年に心動かされてるなんて。 しかも、幼い頃から知ってる子だから尚更頭の中の整理がつかないのは当然だわな。 「その裕太郎くんが…店を辞めてたんだ」 意を決して俺は本題へと切り込んだ。 「はあ…それで?」 なのに天道ときたら、この軽さで返してきたがった。 「『それで?』だと?こんなに親しくなった俺に報告もナシにか?せめて…せめて『辞めるんです』とかあってもいいだろ!?」 「アイツ、案外めんどくさがりだから…あっ…」 おそらく俺の顔は、天道の表情から読み解くに、鬼瓦真っ青だったと思われる。
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