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「どうした? 今日はいつにも増してぼんやりしてんなぁ」
署内休憩所で缶コーヒーを飲んでいると、科捜研のお荷物である森次が現れた。
「彼女と喧嘩でもしたか? いいぜいいぜ、もっと喧嘩しろ」
なんだよそれ、と言うと「幸せな奴は全員敵だ」と訳の分からない事をぬかす。
「それよりも、例の連続殺人だが……また起こったらしいぞ。25時頃だ」
25時……その時間は、夢にうなされてた頃か……
「被害者は若くして会社を立ち上げたばかりの男だ。殺し方から、一連の犯人に間違いないだろうぜ」
連続殺人鬼を模して、別の何者かが殺人を犯している可能性も……
「ないない。お前が1番よく知ってるはずだろ。あんな見事な殺し方が出来る奴なんざ、そうそういねぇよ」
「思ってても、そういう事を口にすんじゃねぇよ」
急に別の声が聞こえた。目線を向けると、そこには……岸和田刑事課長の姿が。
慌てて敬礼をする森次に、岸和田さんは拳骨を落とす。
「休んでばっかいやがんな、このごくつぶしが」
「いってぇえ……! す、すいませんした! 失礼します!!」
慌ててその場から逃げ出す森次。あいつは昔から岸和田さんを苦手としているからなぁ……
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