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「「電子ドラッグ???」」
聞き慣れない言葉に、男二人が声を揃える。
「そう。よくネット依存症とか聞くじゃない。それを強くしたような感じかな? それを私達の『叛逆のデスペラード』に使えないかな、と思って」
「そーぉんなモノなくったってぇ、デスペラー、ぁド、はぁ、どぁーいじょーおぶっ! ですってえ」
工藤が、最早開いてもない目を高山と姫川の間を彷徨わせながら、断言する。工藤が先に潰れるのも、いつもの光景だ。
「私も自信はあるわよ。でもそれをより磐石なものにしたいのよ……」
この高山の言葉はしかし、工藤の耳には届いてないようだった。彼は壁に凭れ掛かり、小さな鼾をかき始めている。高山は肩を竦めると、姫川に視線を向けた。
姫川もまた、やれやれといった表情のまま工藤から視線を外し、高山に向けたところだった。
二人の視線が絡まる。
「それで」
そこで姫川は、グラスを持ち上げて口を湿らせて一呼吸置いた。そして言葉を続ける。
「その電子ドラッグをどう使うんですか?」
「そうね……今日は工藤君がもうこんな状態だから、簡単な説明だけにしとくわね」
詳しい話はまた後日、と言いながら、高山は姫川に説明を始めた。
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