preface

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「でも本当に、こんなものがドラッグになるんでしょうか」 姫川は懐疑的だ。 「だからこそ、調べてみる価値があると思わない?」 高山が悪戯っぽく笑う。彼女も半信半疑ではあるのだろう。しかし何よりも、自分の好奇心を満たしたいと考えている事が、その表情から分かる。そんな様子を見て、 「……楽しんでますね」 姫川は苦笑いを浮かべると、再びブラウザに視線を戻した。 「でも実際に、電子ドラッグでトリップしたってブログがあったりするし、一部の携帯ゲームでは使用されてるって話も聞くから、強(あなが)ちあり得ない話でもないみたいよ」 高山は姫川の背中にそう言うと、 「でもそろそろ仕事に戻りましょうか」 そして他のパソコンに表示されている、『叛逆のデスペラード』の管理画面に視線を向けた。
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