24人が本棚に入れています
本棚に追加
「でも本当に、こんなものがドラッグになるんでしょうか」
姫川は懐疑的だ。
「だからこそ、調べてみる価値があると思わない?」
高山が悪戯っぽく笑う。彼女も半信半疑ではあるのだろう。しかし何よりも、自分の好奇心を満たしたいと考えている事が、その表情から分かる。そんな様子を見て、
「……楽しんでますね」
姫川は苦笑いを浮かべると、再びブラウザに視線を戻した。
「でも実際に、電子ドラッグでトリップしたってブログがあったりするし、一部の携帯ゲームでは使用されてるって話も聞くから、強(あなが)ちあり得ない話でもないみたいよ」
高山は姫川の背中にそう言うと、
「でもそろそろ仕事に戻りましょうか」
そして他のパソコンに表示されている、『叛逆のデスペラード』の管理画面に視線を向けた。
最初のコメントを投稿しよう!