ア・タ・シのダンジョンへようこそ！

イチ

『モンスターの進化
　モンスターのレベルが一定の値を越え、且つマスターのレベル・ランクが規定値を越えた時上位のモンスターへとアップグレード出来ます。尚、進化後モンスターのレベルは初期化されます。進化可能に必要なレベル・ランクはモンスターのレア度、種族などにより変わります』

「育成ゲームみたい。素材とかはいらんのね、ポイントかかるのかな？」

　うむうむ、予想通り。ゲーマーとしての血が疼きます。と、記憶を消したとか言う割に色々と残っているじゃないか、俺の生活の記憶。フッハッハッ！石っころザマァ！！

　スイマセン、調子に乗りました。

　現実逃避はさて置いて。問題はこのモンスター(でも、種族は人間)の性質。いくらマスターに逆らわないとは言われても、冷徹な君主だよ。冷血な石っころと冷徹王に挟み撃ちなんて即死級の威力あるよね。

　それに可愛い女の子なら大歓迎だけど英雄王だよ、英雄王。筋骨隆々のゴリマッチョだろうよ、能力は開花されていない、って？だからどうした、十中八九ゴリマッチョだよね？それだけでげんなり。

「でもなー、そんな事言ってられる余裕はないし、これ以上レア度の高いモンスターいなかったし……人ならいきなり襲ってくることもない、よねぇ～～？……よし！」

　それからすぐ俺は腹をくくった。もう、無料召喚のタイムアップまで15分とない。一人でスライムやらゴブリンを率いて冒険者と戦うかゴリマッチョと暮らすか、ビミョーに後者の方がマシ、戦力としてはだいぶ上だ！

「ダンジョンコア！初回召喚特典で英雄王の卵を召喚！ちゃんと服は着せてあげて！！」

『英雄王の卵☆4を召喚します。初回召喚特典、サポートモンスターを消費ポイント０召喚(上限１回)を使用します。以上の条件でよろしいですか？』

「服着せてよ！？マジでお願いだから！！承認！！！」