ゼロ

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『ようこそ、ダンジョンマスター』  「あーー、きぃもち悪かった~~……何がようこそだ石っころ!俺の思い出のメモリーを返せぇー!」  ガッシャーンと床に投げつけてやると、そいつは意外と固かった。 『ダンジョンコアは非常に頑丈に出来ておりますが、破損並び冒険者に奪取されますと一定時間後コアにより作成されたダンジョン及びモンスターは消滅します。尚、その際ペナルティーとして上記コアを使用中のマスターも同時消去されますので慎重に扱われる事をお勧めします』 「………え???」  踏みつけてやろうと思い持ち上げた足をそのままぷらーんとさせてコアの言葉に絶句した。これを壊したり取られたりすると俺は消去される。 「消去って……死ぬって、こと?」  背筋に冷たい汗が流れる。夢なら覚めて欲しいものだ。 『なお、ダンジョンコアの権限を他人に譲渡する事も可能です』 「じゃ、じゃあ誰か適当に見繕って押し付けたら……」 『その際もペナルティーが課せられます。それにより生じた損害は保証しかねます。権利委譲については慎重に執り行われますことをお勧めします』 「さっきからペナルティーペナルティーって!あんた一体何様のつもりなんだよ!」 『ペナルティーについての詳細は、メニューアイコンをタップ、その他を選択しペナルティー詳細を参照下さい。以後、ダンジョン制作についてレクチャーを開始します。よろしければ“承認”と宣言して下さい』 「おぉ~いっ!無視かぁ~いっ!人の話聞けーぃ!」 『…………』  いきなり黙りこくる石っころ。  一向にあの流暢なおしゃべりが開始される気配はない。“承認”と言うまで喋らないつもりか。なんて一方的な奴でしょう。
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