サン

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ーーー 「ロウ、覚悟は出来てるか?」 「うん、皆とは話し合った。俺達じゃセっちゃん助けられない。確率は低くても、消えちゃったとしても、掛けるしかないんだ」  背中には毛布でくるまれたセルリア。小さな息遣い、高い熱が伝わりじっとりと背中が汗ばむ。その胸元に華のような魔石が一緒になってくるまれていた。ミントちゃんがくれた魔石だ。 「ロウさん……私達頑張って説得してみる、だから」 「うん、信じてる。でも、ヤバそうなら逃げて。洗脳された、とか言えば大丈夫だと思うから……。これ、本当なら俺達のダンジョンの問題なのに……ごめんね二人と」 「ばっきゃろー、水くせぇ事言うなよロウ!絶対説得するから!大人しく待ってろよ」  こくこく、と目頭を押さえながら俺は頷いた。セルリアの泣き虫うつったかな。昨日から泣いてばっか、情けないなぁ。横で心配そうにプチマンティスが首を傾げていた。  事は数時間前まで遡る。 「おはよ~、セっちゃん」  俺はいつもと同じようにスッキリ目を覚まして背伸びした。魔力を沢山使った割には爽快な目覚め。レベルアップしたからかな?俺のレベルはやっとこさ二桁に突入したところ。  オーガ君はA君のが高いけど20を越え、セルリアはちょっと低いけど、俺より上の13。ゴブリンは初期化されちゃった子が半数以上で生き残った子のレベルが30オーバー。運良く外回りだった子がそれより幾分低いレベルだ。そろそろコブリンがカンストして晴れてゴブリンに進化出来ると思ったのに。スライム君らはカンスト続々、勝手に進化したと言うか、分裂中に突然変異した子達がレベルを伸ばしていた。  因みに俺が意図して進化させたんじゃないからまだコアで召喚出来ないとか。どういうこっちゃ?  てな訳で、ご飯何にしようかなぁ、何て呑気に考えて、まだ眠っているセルリアを起こそうと思ってほっぺたに触れた。 「えっ!?なにこのお熱!!」  額に手を当てると驚く位熱かった。
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