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「え…ええ…っと…えぇぇぇぇぇぇ!?」
南は当然の様に驚き、図書室で大声をあげた
「南君!!図書室では静かに!」
すかさず司書の人が注意し、南は急いで口を閉じて
「ちょ。ちょっと待って…え、ええ、え?!」
「うん…ここ、図書室だし…別の場所にでも行こっか」
「え、あっ、は、はい」
南はどうにかして落ち着いた様に見せ、落とした本を拾い、僕と一緒に図書室を出た
「え、えっと…そ…その」
「あー…ここ、人目あるから…上の教室に行こっか」
そう言って僕は南を一つ上の階の、空き教室へと連れて行った
「ふぅー…よし、まず…君の…名前を教えてくれないかな?」
教室に入ると、南は僕から距離を取り、じっと見ていた
「…高屋俊哉。毎日図書室には行ってんだがな」
「顔は知ってる。毎日僕も図書室に行ってるし、受付でよく処理してるから」
「そっか。覚えててくれてるのか。嬉しいよ」
「ど…どういたしまして…じゃなくて!?何、どゆこと!?男の君が男の僕に告白って…もしかして、冷やかし!?」
南って、以外とテンション高くてノリがいいんだな、と思いながら僕は
「僕さ、借りてる本見て、前にどんな人が読んだんだろって想像してんだ。んでさ、ここの本の貸し出しカード見て…今まで読んだ本に「南 春」って名前がが書かれてたんだ。」
そう言うと南は驚いた顔になり
「え、え、そ…そなの!?いや僕…かなりの本数読んでるけど…全部お前も読んでるの!?」
「あぁ。シリアスやコメディ、ノンフィクションにフィクション。さらに歴史や海外のまで…それでな、一体どんな奴がこんなにも趣味が合うんだろって、毎日毎日思ってたんだ」
そう言って南に近づき、手に持ってた本を取った
「んで、今日その「南 春」が誰か分かった。こんなにも本を愛する奴だったんだなって。それに惚れてしまったよ。僕も好きだからさ」
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