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「なら、行くぞ!!」
目をキラキラさせた春を見て俺は
「あぁ…パソコン係でよかった…」
「ん?なんか言った?」
「いや、何も」
「んなら、どんな本が欲しい?」
今月の新刊を全てデータに打ち込み終え、さらにリクエストされたので審査して新たに図書室に蔵書される本を打ち込み終え、ネット画面を開いた
「すげーなー…お前、あの膨大な本のデータを一瞬にして打ち込めんだな…」
「もう、慣れたからね…あっ、来月に水戸山 冬児の新作出るのか…」
「まじか!あの水戸山先生か!あの人大好きなんだよな!」
「わかるわかる!あの人の「教室」って作品が僕は大好きだな」
「教室!俺も!俺も大好きだ!!あの教師と生徒のイジメの解決するシーンとか、生徒の悩みに一喜一憂しながら解決していくシーン!もう読むのが止まらないね!」
目をこの上なく輝かせながら、好きな本について話しをする春
本当に本が好きなんだな
そして俺と同じ所を理解してくれんだな
ってとても伝わり、聞く俺としてもとても嬉しかった
「春、他にどんな本、取り入れたい?」
「え、えっとな…んー!あー!悩む!たくさんありすぎて!」
「ふむふむ…なら、これとかどーかな?」
「これもいい!!これも!これも!全部!全部!!」
「ふむふむ…なら…これも入れとこうかな…」
「え、どれどれ…ん!?これ…BL小説か!?」
「え、お春の気持ちが分かるために…」
「却下だ却下!!…んなのおいちゃだめだろ」
「…そか…そーいやさ、春」
「ん?何?」
春はパソコンの画面を覗きながら、本を探しながら耳を傾けると
「そーいや…何で俺の家が分かったんだ?」
「え…そりゃ分かれた後、お前の後を尾行して……あっ」
「なるほど…」
「ち…違う!へ…返事がしたくて!それで!仕方なく後をだな!」
「あー…元からきちんと面と向かって返事するつもりだったんだな。ありがと」
「う…そ…その…礼を…言われるほどのものじゃねーし…当たり前の事だし…」
「そか。なら、きちんと家の場所を覚えられたはずたな…何時でも家に遊びに来いよ」
「き…気が向いたらな!」
そう言って春は再びパソコンの方に目を向けた
その顔は真っ赤なりんごみたいだった
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