One chapter

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「・・・ーーだから!!!  あたしはやってません!」 「さっさと認めろ!」  ……警察署の一角で 女の人と男の人の 大声が飛び交う。 女性の名は[宮野 蓮](みやの はす) ある殺人事件の容疑者として 事情聴取をされている最中だ 男性の名は[相生 鉈城](あいおい なたぎ) この人は新米の警察官で 蓮のことを犯人扱いしている 「・・━━━っとに まぁ  見た感じ 最悪だな」 璃途霧はケータイを器用に扱いながら 溜息を吐いた 「あの新米、仏さんと最後に  話したからって宮野蓮のこと  疑いすぎだよな」 凛檎も呆れながら呟く   「仕方ねぇ……  おーい、相生さーん!!  瑞山さんが呼んでんぞ!!」 璃途霧は新米警察官、相生に 声をかけた 「あ、わかった  璃途霧くん ありがとな!」 「いえいえ   何でも急ぎの用らしいですよ」 璃途霧は淡々と嘘を並べる その姿に凛檎は苦笑するしかなかった 瑞山さんとは桜夜双子と仲の良い ベテランの警察官である その瑞山を使って相生を蓮から 遠ざけたのだ 「お兄ちゃん、瑞山さん可哀想だろ…」 「瑞山さんは ざっと計算したところ  今の時間、暇だ」 璃途霧は悪びれもなく微笑む 「今のうちに宮野を解放してやるぞ」 その笑顔は 黒かった 凛檎はただただ冷や汗をかきながら 震えていた
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