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さようなら
泣き疲れた。
知らない路地裏。
背にもたれて、あの手紙を思い出した。
あれが遺書だね。
テディベアはボロボロだった。
でも、これが望んだ結末なんだろ。
自分で言い聞かせた。
煮えた。
ボクの人生は煮えたった。
最初から用意してたナイフをポケットから取り出した。
これで命の灯火を絶とう。
テディベアが、ボクの代わり。
でも、代わりなんて誰でもいる。
ましてや、兄さんや姉さんみたいな秀才がいるのだから。
ナイフを胸に当てた。
本当に、これが最後だ。
最後・・・最後。
あれ?
また、涙が出てきたな・・・。
止まれ。止まれ。
ぐっとナイフを刺した。
薄れる意識の中頬には微かな涙の感覚があった。
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