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「三分後、私はここから飛び降ります!」
メガホン越しに校庭に向かって宣言したのち、ヒョイと屋上のふち?みたいなところに立って下を見る。
うひゃー、朝礼で集められてる生徒が小さいよ、足すくみそう。いや、すくんでるわ。
今すぐにも落ちちゃいそうだよ。ふらふらだよ。
私とおそろい(笑)なメガホンを持った先生が何かを叫んでいるよ。しかし!残念かな、今日は青空とともに風がビュービューだから、
何やってるんだー!! なーんて声は聞こえないわ。
なんて静かなんだろう
晴れ晴れとした気持ちで下を覗いてみる。立ってると危ないから座ってからね。うーんやっぱり晴れ晴れ。
別に嫌なことがあったわけじゃないんだよ。むしろ最近は絶好調だった。テストは学年トップで容姿も抜群に良くて、最近学年一のイケメン君に告白されちゃったし(返事はしてない)、生徒会長として人望もあっついし、慕われてるし、先生も親も褒めてくれるし、昨日のアイスはあたり棒が出たし、あげるとキリがないけど、とにかく嫌なことなんてない。怖すぎるくらいに。いやでも、
飛び降りちゃう理由はココにアリっていうね!
理由なんてどうでもいいなんて訳にもいかなくてねー、まあ一応人の命だし。でもさっきの通りなんだよ。
嫌なことがなかった。
よって未練もない。
しいて言うなら、小説かなにかの主人公になりたかったかなって思うこともないけれども、頭の中のモノローグで十分!お得でしょ?
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