第二十二項 世界の中心で哀を叫んだ魔物

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「・・・・・・、シャシャ」 「・・・・・・、うん」 最後に 「君と過ごした時間は、嫌いじゃなかったよ」 「―――わたしも」 彼女は泣いて 僕は泣かなかった 後ろには死神が立っている。なにも迷うことはない。なんと言っても、彼女は魂の案内人なのだ 僕がどんなに下手を打っても、きっと、フォローしてくれる 僕は安心して―――、自分がやるべきことだけをやればいい ただそれだけの話 単純な、お話 僕は息を整える。左手が震えるのを無理やり理性で押さえつけて、目の前にいる、泣きながら笑っている少女を見下ろす  ―――そして僕は大鎌を振り降ろした
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