第二十二項 世界の中心で哀を叫んだ魔物

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「・・・・・・、どうするか、ミコトが決めるといいよ」 ココロアちゃんが耳元でそういい、僕に何かを投げてくる がらんっ、と、僕の足元にそれが落ちて来た。一度だけ見たことがある。ココロアちゃんが使う大鎌だった 赤と黒で覆われた、禍々しくも美しい大鎌 命を刈り取る、大鎌 どうするか なにをするか どうするべきか 僕が決める 僕が―――、決めるんだ 「・・・・・・、・・・・・・」 時間は、もうない 迷っている時間も、考えている時間も、とっくの昔に消え去ってしまっている 世界に思い入れなんてない こんな世界、壊れてしまえばいいと、幾度思ったことか知れない 例えば、シャシャと世界を天秤に掛ければ、きっと、天秤はシャシャのほうに傾く でも だけれど それでも――― ―――、僕は死神の大鎌を拾った
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