エピローグ

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ひょっとしたら僕は人類史上最弱かもしれない そんな疑いを持ったのは幼少期のことで、今では全くと言っていいほど、そんなことは思っていない 最弱かもしれない、なんて思っておらず、最弱である、と確信さえもしていない ただ、きっと 僕は、人類史上最悪なのだろう、と、そう思っている 考えてみれば、可笑しな話だ。歪魔法の影響を、つまり僕の体質を受けないシャシャでさえも、僕と一緒に居れば死んでしまった 僕が、殺してしまった 完膚なきまでに 言い訳のしようもなく 僕が殺した これはもう、歪魔法だとか体質だとか、きっと、そんなレベルの話じゃない 僕が生きていること。それ自体が、それはもう最悪なことなのだろう。世界も理も理屈も命も関係なく 僕が好きでいようと、僕が嫌っていようと、僕を好きでいようと、僕を嫌っていようと 僕の周りに居る人は、みんなみんな、死んでいった 死んでしまった 勇者君、アルマ君、勇者君の周りにいた人たち、アリサさん、女神様、魔王、学校に来た名も知れぬ魔族―――、そしてシャシャ みんなみんな 死んだ 僕と関わったばかりに みんなみんな ぼくがころしたのだ
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