エピローグ

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まるで呪いだ。僕に降りかかっている呪い。あるいは―――、僕自身が呪いなのか 呪いを振りまく災厄 生きているだけで、そこに存在しているだけで、命を殺していく最悪 世界には、死んでもいい人間なんて、きっと存在しない でも、きっと、死んだほうがいい人間は存在する 僕がきっとそうだ 死んだほうがいい 死んだほうがいい どうして生きているのだろうか。こんな僕が。散々人を、他人を殺し尽くしてきた僕が そんな僕が、生きていて良い道理なんて、どこにもないのに 「・・・・・・、・・・・・・」 僕は自分の家の玄関の前に立っていた。扉の前。自分の家なのに、どうしてだろう、足が進まない あの後、僕はシャシャを殺した 大鎌で切り裂いて。殺した。嫌に冷たい血がふりかかったのをよく覚えている。肉を切り裂く感触も。彼女の最後の笑顔も。泣き顔も。全部記憶に焼き付いている
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