エピローグ

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後悔していない、と言ったら嘘になる。やり直したいかと言ったら、きっと首を縦に振るかもしれない でも、やり直してもなにをしても、きっと今と同じような結末になってしまうことは、想像に難くない あの想いをもう一度味わうのは、死んでもごめんだった 今まで何度死にたいと思っただろうか 幾度世界を呪っただろうか 呪われていたのは僕なのだろうか 涙は零れない。枕に顔をうずめて、僕は息を止める 今度生まれ変わったら ―――幸せになりたいなぁ と なんとなくそう思った 深く深く目を瞑って、僕は眠る 否が応でも、来てしまう明日を迎え撃つために 僕が生きていていいのか 僕は死んだほうがいいのか そんなことは最弱であり最悪である僕風情にはさっぱりわからなかったけれど それでも 死ぬまで生きてみよう、と シャシャという〝人間〟が生きていたことを せめて僕だけでも、生きて、憶えていよう、と そう、思いながら、僕は眠りにつくことにした―――  END
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