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「それで村長さん。そいつの特徴とかは何ですか?」
村長は両肘をテーブルに乗せ、ティーカップに入った紅茶を一口飲む
「うむ…詳しくは分から無いが、黒のローブを纏っていて…異様な魔術を使うみたいじゃ…」
「異様な魔術って?」
「辛うじて難を逃れた兵士以外皆抜け殻みたいに。すべての記憶を失ってたらしいのじゃ」
「本当、曖昧。だから得体のしれない奴なのね…それにしても」
リリアは村長の顔を見つめ
「でも何で内緒にしてるの?そんな危ない奴…早くみんなに知らせないと…」
そう言ってリリアが席を立ち上がろうとした
「待つのじゃリリア!」
村長は、家を出ようとするリリアを止め椅子に座るよう言った
そして静かに口を開く
「王国からの指示だ…だから皆には言えんのじゃよ」
リリアの物言いたそうな顔をよそに語り続けた
「使者が来た日にこの手紙が届いたのじゃよ…」
そしてリリアに手紙を差し出し読むように言った
「これって…」手紙を読み終え驚愕する
「うむ…その手紙の通りじゃ」
そこには、得体のしれない人物に関わる案件を他言無用とする…
もし仮に他人、親族に知られたらそれ相応の処置を取らせてもらう
命が惜しければ上記に従うように
と言う王国からの威圧を示す内容だったのだ
「まさかフェイに盗み聞きされてたとはのぅ…王国からの処置で村の皆を危険に晒す訳にはいかんのじゃよ…」
そう言って苦笑いをし頭を掻いた
「わかりました…この事は聞かなかった事にします…」席を立ち上がり椅子を戻す
「うむ…くれぐれも内密にな。」
「……」
リリアは無言になり、村長に会釈をして家をでた
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