3人が本棚に入れています
本棚に追加
山頂の丘…
「ここにも居ない…もうどこに行ったのよ!」リリアの叫びが山に木霊し帰ってくる
「やっぱり、私じゃ無理なのかな…姉さん」地面に座り込み弱音を吐く
「もうお終いか?」リリアの前に黒のローブの男が立つ
「あなたはさっきの。誰ですか?」
リリアは男を見上げ尋ねる
「お前は良いのか?あのチビを探さなくて?」質問を無視しリリアを見下ろす
リリアはムッとした表情で立ち上がり
「質問に答えてください?あなたは誰!そしてなぜ私がフェイを探してるの知ってるの!」
声を荒げ男を睨みつける
「いや、先にこっちの質問をだな…」
「いや、私が先なんだから答えるのはそっち!」
すると男が急に笑い始める
「何がおかしいの?」
男はローブを取り
「思い出し笑いだよ…アルカと同じ事言ってやがる」
懐かしそうに笑う…だが目の奥からは微かに悲しさも伺える
「あなた…姉さんを知ってるの?」目をハッとさせ聞いた
「あぁ知ってるよ…あいつは俺の…」
言葉を遮るように大量の鳥が空に飛び立った
「え?…今なん…」
男はリリアの唇に指を当て喋るのを止める
「やっと動いたか…あのチビやばいかもな。急ぐぞ!」
リリアの手をにぎり速度強化の魔法(オーヴァ)を使い走り出した
最初のコメントを投稿しよう!