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手を引かれ風を切りながら走る
「ねぇ…ちょっと!詳しく説明して。フェイに何があったの?」
状況把握のため焦り口調で男に聞いた
「奴が俺の仕掛けた罠に掛かったんだ」
男はニヤリと笑いオーヴァを重複させ更に加速する
(魔法を重複させた。この人なんて魔力なの…)
リリアは驚きを顔に出す
魔術師は魔法を一回使い再使用するには一定時間のロスタイムがある
だがこの男はタイムロスを無しに魔法をつい…さらに効能を倍にしたのだ
一般の魔術師ならまず魔力が尽きるであろう業を、男は顔色一つ変えずやってのけたのだ
「奴って言うのは…通称[ナナシ]詳しく知りたかったらまた後で説明してやる。だが今は急ぐぞ!」
リリア口を開き
「あの…フェイはどうなるの?」
フェイの安否を聞いた
男は眉を顰め
「まだわからない…だが素人が単独で遭遇したら確実に[存在]を食われる」
静かに答えた
「フェイ…」
リリア俯き表情が暗くなる。それを見た男は歩みを止める
「まだ喰われてねーよ…さっき奴が罠に掛かった言ったろ?」
優しく微笑み頭をポンと叩いた
小さく頷きリリアは男の方を向いた
「あの…あなたの名前は?」
男は優しく笑った
「あーそう言えばまだ言ってなかったな。ミストだよ…よろしくな
リリア」
「はい!、、ってなんで私の名前知ってるの?名乗ってないのに」
ミストは背を向けクスリと笑う
「内緒だ、、急ぎますぞ~姫様」
ふざけた口調で誤魔化す
そしてリリアの手を引き走り出した
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