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カマルは一人、畑で働いてました。
カマルのお母さんは、病気にかかっていて、ずっと寝たきりでした。
お父さんは、カマルが生まれた後すぐに死んでしまったので、カマルが働かなければいけませんでした。
カマルは学校に行っていましたが畑仕事が忙しくていつも寝てばかりでした。
なのでカマルは勉強が出来ませんでした。
勉強が出来ないので、村の子供達には、バカだバカだ、といじめられていましたが、お父さんの代わりにお母さんを守っていればいつも神様が見ていてくれる、と思っていました。
頑張っていればきっと神様はカマルにごほうびをくれる、とお母さんも言っていたので毎日、畑仕事を頑張りました。
ある日、村の子供がカマルに種をくれました。
「山にある、滝の水をこの種にまくと、どんな願いもかなえてくれんだ。」といってカマルは種をもらいました。
その種をカマルに渡すと、村の子供達は、「カマルは信じてるぞ。バカだバカだ。」と言いました。
本当はそんな種はありません。
村の子供達は嘘をついていたのです。
しかし、カマルは、嬉しくなって種を畑の横にある庭に埋めてから早速山に行きました。
山は村から離れていて、歩いていくと、大人でも疲れてしまうくらいでした。
長い時間をかけてカマルは山に行き、滝の水を汲んで帰りました。
水を持っているのでとても重く、帰りはとても大変でした。
とても疲れましたが、庭に埋めた種に水をまくと、不思議と疲れがなくなりました。
少しずつ願い事が叶う瞬間に近づいているからでした。
カマルは毎日、毎日、畑仕事をして、学校に行って、山に行って、ということを繰り返していました。
やがて、お母さんの病気が悪くなってきました。
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